2013年、監査クライアントのIPO件数が最も多かった監査法人はどこなのか?
2013年1月1日~12月31日までの監査法人IPOランキングをまとめました。
『IPO件数』『時価総額』『騰落率』の3つの指標でまとめてあります。
IPO件数-トーマツが貫禄の首位!
IPO件数での監査法人ランキング
1位:有限責任監査法人トーマツ・・・27件 (昨年18件)
2位:有限責任あずさ監査法人 ・・・13件 (昨年9件)
3位:新日本有限責任監査法人 ・・・6件 (昨年9件)
4位:京都監査法人 ・・・2件 (昨年0件)
4位:三優監査法人 ・・・2件 (昨年1件)
4位:東陽監査法人 ・・・2件 (昨年1件)
7位:明治監査法人 ・・・1件 (昨年0件)
7位:優成監査法人 ・・・1件 (昨年0件)
IPO件数は前年に引き続き監査法人トーマツが圧倒的1位を誇っています。また、昨年9件であったあずさ監査法人も13件と件数を伸ばしています。逆に、同じく昨年9件であった新日本監査法人は6件へと件数を減らす結果となっています。
なお、昨年2件の太陽ASG有限責任監査法人、1件のあらた監査法人は今年は0件となっており、BIG4の一角であるPwCのIPO件数は京都監査法人の2件のみとなっています。
初値時価総額-合計額・平均額ともにトーマツが首位!
初値時価総額でも比較してみました。
初値時価総額の合計額でのランキング
1位:有限責任監査法人トーマツ・・・1,704,495百万円
2位:有限責任あずさ監査法人 ・・・276,389百万円
3位:新日本有限責任監査法人 ・・・95,066百万円
4位:三優監査法人 ・・・14,429百万円
5位:優成監査法人 ・・・13,957百万円
6位:東陽監査法人 ・・・10,061百万円
7位:京都監査法人 ・・・9,215百万円
8位:明治監査法人 ・・・4,995百万円
初値時価総額の合計では、件数の多いトーマツ、あずさ、新日本の三大監査法人が引き続き上位です。優成監査法人はIPO件数は1件であったものの、時価総額が139億円と大型であったため、5位となっています。
また、時価総額の平均(1件あたりの初値時価総額)は以下のとおりです。
初値時価総額の平均でのランキング
1位:有限責任監査法人トーマツ・・・63,129百万円
2位:有限責任あずさ監査法人 ・・・21,261百万円
3位:新日本有限責任監査法人 ・・・15,844百万円
4位:優成監査法人 ・・・13,957百万円
5位:三優監査法人 ・・・7,215百万円
6位:東陽監査法人 ・・・5,031百万円
7位:明治監査法人 ・・・4,995百万円
8位:京都監査法人 ・・・4,608百万円
監査法人トーマツは1件あたりの時価総額でも1位となっています。特にサントリー食品インターナショナル(初値時価総額:964,080百万円)の監査を担当していたことが時価総額を大きく上振れさせており、また、それ以外にも足利ホールディングスやリプロセルなど時価総額1,000億円超えの案件も担当するなど、2013年の注目案件を担当した結果が平均にも現れています。
初値騰落率-あずさが2位以下を大きく引き離し1位!
では、最後に監査法人ごとの初値騰落率の平均を見てみましょう。
騰落率の平均(1件あたり騰落率)でのランキング
1位:有限責任あずさ監査法人 ・・・161.25%
2位:有限責任監査法人トーマツ・・・117.42%
3位:新日本有限責任監査法人 ・・・113.81%
4位:明治監査法人 ・・・101.75%
5位:三優監査法人 ・・・97.91%
6位:東陽監査法人 ・・・91.92%
7位:優成監査法人 ・・・55.25%
8位:京都監査法人 ・・・18.16%
※騰落率の平均=騰落率の合計/IPO件数で算出しています。
騰落率の平均では、あずさ監査法人が1位となっています。システム情報(372.97%)、オークファン(303.07%)など騰落率が高かった企業の監査を担当していたというのもありますが、騰落率が100%を下回った案件が3件しかなく、全体的に騰落率の高い案件を担当していたことが理由として挙げられます。
なお、本年のIPOは公募価格割れ(騰落率0%未満)が1件(ウィルグループ・監査法人:三優)のみであったため、平均騰落率が0%を下回った監査法人もありませんでした。
昨年より徐々に活気づいてきたIPOマーケットですが、2014年のIPOマーケットや監査法人ランキングはどのような結果になるでしょうか?