2018年IPOランキング!【上場市場・主幹事証券・監査法人・証券代行別 IPO件数】

ここ数年に渡って好況のIPO市場ですが、近年のIPOマーケットのプレーヤー実績はどのようになっているのでしょうか?

2018年のIPO市場を、

  • 上場市場
  • 主幹事証券
  • 監査法人
  • 証券代行

ごとのIPO件数でまとめてみました。

本記事の目次

市場別IPO数ランキング

東証マザーズがトップ独走、過去6年間で最高実績

まずは市場別IPO数のランキングです。マザーズの独走状態がいつまで続くのか、過去6年間の推移に注目です。

市場別IPO数ランキング

ipoランキング_2018年_上場市場別_件数比較表※クリックすると拡大します。

市場別IPO数ランキングでは、1位が東証マザーズ、2位はジャスダックでした。過去6年間この順位に変動はありません。

2017年から2018年にかけて、IPOの総数は90件と横ばいです。市場別で前年と比較してみると以下のようになっています。

  • 東証マザーズ:+14件
  • ジャスダック:-5件
  • 東証1部:-4件
  • 東証2部:-3件
  • 札証アンビシャス:-1件
  • 名証2部:-1件

昨年はマザーズとジャスダックの差が縮まりましたが、今年マザーズが過去6年間で最多のIPO数を記録し、再び差が広がっています。過去6年間の平均でもマザーズはIPO市場の約6割のシェアを占めてトップを独走しています。

なお、ジャスダックに関しては、スタンダードとグロースの2市場がありますが、グロースに関しては2013年6月の株式会社リプロセルを最後に新規上場は行われていません。

地方市場への上場は札証アンビシャス1件のみで、6年間の中で最も少なくなっています。

また、近年では、日本取引所グループからは上場の審査基準の見直しの話も出ていますので、今後のIPO動向に影響が出てくる可能性も考えられます。

2015年3月に日本取引所グループから『最近の新規公開をめぐる問題と対応について』が発出され、新規公開会社の経営者による不適切な取引への対応が強く求められることになりました。企業のコーポレートガバナンス及び内部管理体制の有効性の審査が厳格化され、審査基準がより厳しい東証1部や2部への上場を断念するケースが増えるかもしれません。

同じく日本証券取引所グループは2018年に『市場構造の在り方等に関する懇談会』を設置し、市場構造や上場制度の改善すべき点について検討を行っています。この中で新興企業向けの市場に企業成長を妨げない柔軟な基準設計や制度運用を求める一方で、1部市場についてはより厳格な基準と義務を課すことが提言されており、2部市場上場がさらに減少することが予想されます。

主幹事証券別IPO数ランキング

野村證券が首位死守

次に主幹事証券別のIPOランキングを見てみましょう。

主幹事証券別IPO数ランキング

ipoランキング_2018年_主幹事証券別_件数比較表※クリックすると拡大します。

※主幹事証券が複数ある場合は、各証券会社に1件ずつ集計しています。

主幹事証券別IPO数ランキングは野村證券が23件と2年連続で首位になっています。ただし2位以降のみずほ、SMBC日興と拮抗しており、翌年度以降の順位変動が予想されます。

なお野村の2013年から2018年の6年累積件数は2位以下を大きく引き離して1位になっています。また6年間のうち2016年を除いた5年間で首位になっています。

【主幹事証券上位5社のIPO件数の推移】

ipoランキング_2018年_主幹事証券別_推移グラフ※クリックすると拡大します。

監査法人別IPO数ランキング

EY新日本が首位に返り咲き、昨年1位のトーマツは3位に後退

次に監査法人別にIPO件数を比較してみます。

監査法人別IPO数ランキング

ipoランキング_2018年_監査法人別_件数比較表※クリックすると拡大します。

※2018年7月2日に太陽監査法人と優成監査法人が合併しています。2018年のIPOに関して、優成監査法人のIPO1件は2018年末時点の存続法人である太陽監査法人に含めて集計しています。

IPO件数ランキングでは、2016年以来2年ぶりにEY新日本監査法人が首位を奪取しています。トーマツは昨年の1位から3位に後退しました。

2017年から2018年にかけて、四大監査法人の実績に関しては、

  • EY新日本監査法人:+4件
  • あずさ監査法人:+8件
  • 監査法人トーマツ:-7件
  • PwCあらた監査法人:+2件

となっており、合計で7件のプラスとなっています。

【四大監査法人のIPO件数の推移】

ipoランキング_2018年_四大監査法人_ipo件数推移グラフ※クリックすると拡大します。

また、準大手監査法人の実績を前年と比較してみると、

  • 太陽監査法人:+1件
  • 三優監査法人:-2件
  • 東陽監査法人:-2件
  • PwC京都監査法人:+1件
  • 仰星監査法人:-1件

となっており、太陽監査法人の実績が7件とあずさに続き第4位となっています。

太陽監査法人に関しては、BIG4監査法人の一角であるPwCあらた監査法人を押さえて、2013年以降のIPOの合計数で4位につけています。

また、PwC京都監査法人は2015年以来久しぶりに実績を上げています。

その他に関しては、監査法人A&Aパートナーズとひびき監査法人がそれぞれ1件の実績となっており、前年からの変化は以下のとおりです。

  • 監査法人A&Aパートナーズ:±0件
  • ひびき監査法人:̟+1件

前年は準大手や中小監査法人によるIPOが19件と目立ちましたが、今年は12件と減少しています。

証券代行別IPO数ランキング

三菱UFJ信託銀行と三井住友信託銀行がトップ争い

次に、証券代行別IPO数ランキングをご紹介します。

証券代行別IPO数ランキング

ipoランキング_2018年_証券代行別_件数比較表※クリックすると拡大します。

三菱UFJ信託銀行は2014年から2017年まで4年連続で単独首位でしたが、2018年は、三井住友信託銀行が三菱UFJ信託銀行にトップに並びました。

6年間の累計では、三菱UFJ信託銀行が44.2%という圧倒的な代行率で1位になっています。

証券代行は、三菱UFJ信託銀行、三井住友信託銀行、みずほ信託銀行が3強で、過去6年連続で9割以上のシェアを占めています。

 

以上、2018年のIPOランキングをお届けしました。

2019年のIPOマーケットや監査法人ランキングはどのような結果になるでしょうか?継続してウォッチしていきますので、ご期待ください。

(著者:大津留ぐみ / 大津留ぐみの記事一覧

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キャピタリストナビを運営する株式会社ワイズアライアンスでは、本記事の元になった2017年・90件、2018年・90件の計180件のIPOを一覧にまとめたデータをnoteにて販売中です。Excel版、PDF版をそれぞれ用意してあります。詳細は下記をご参考ください。

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<記事補足>
複数の証券取引所に同時上場の場合には、市場規模が大きいもののみカウント。東京証券取引所>名古屋証券取引所>札幌証券取引所>福岡証券取引所の順で優先しております。具体的には以下の銘柄です。
【上場日、社名、集計した市場(集計対象外とした市場)】2013/3/27、タマホーム、東証1部(福証)/2014/12/24、ヨシックス、ジャスダック(名証2部)/2014/5/22、東武住販、ジャスダック(福証Q-board)/2015/3/26、プラッツ、東証マザーズ(福証Q-board)/2015/6/25、メニコン、東証1部(名証1部)/2016/3/9、プラス、東証マザーズ(名証セントレックス)/2016/6/15、ホープ、東証マザーズ(福証Q-board)/2016/6/29、コメダホールディングス、東証1部(名証1部)/2016/10/25、九州旅客鉄道、東証1部(福証)/2016/11/22、WASHハウス、東証マザーズ(福証Q-board)/2017/2/10、安江工務店、ジャスダック(名証2部)/2017/3/23、グリーンズ、東証2部(名証2部)/2017/8/3、シェアリングテクノロジー、東証マザーズ(名証セントレックス)/2017/12/25、ABホテル、ジャスダック(名証2部)/2018/12/21、ポート、東証マザーズ(福証Q-board)/2018/12/21、テノ.ホールディングス、東証マザーズ(福証Q-board)
<免責事項>
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